画家の堀越千秋さんが

週刊誌に載せておられた内容が、

実に面白くて的を射たものだったので、

一部を抜粋して書かせて頂きます。

今、俺は生きている。ほら、元気だし。

おまけに、「今、生きている」と僕らは信じているが、

一体誰がそう決めたんだ？

本当は、ここが「あの世」かもしれませんぜ、旦那。

どっちにしても、僕らはここに今、

居るしかないんだよ、宇宙開闢以来。

（あの世でもこの世でも）どっちでもいいけど、

命の引っ越しが怖いんだな。

家の引っ越しもイヤだけど、

越してしまえば大概は新居のほうが良い。

だって、そこしかないんだもの。

（閑話休題）

枯山水（かれさんすい）とは

日本庭園や日本画の様式・風のひとつで、

「仮山水」（かさんすい）とも言う。- Wikipedia

ここに「仮」の字を使ったことに驚きます。

というのも、

この世の山水は常に移り変わり、

変わるものは「真」とは呼べず、

「仮」ということで・・・。

ですから、仮山水と言うほうが

的を射ているかもしれません。

さて、禅師であった一休さんは、

同じ禅師の蜷川に言ったそうな。

人は独りで生まれ来て、独りで去ってゆくなどと、

君が思っているならば、それは君の幻だ。

誰が生まれ、誰が去っていくというのかね？

私たちは一瞬たりとも動いていないし、

自らの本性から微動だにしていない。

変化はすべて見せかけにすぎない。

最も奥深い中核では

何も変化せず、すべて同じままだ。

時間の推移は、周辺や表面で起こる現象だ。

中核には、時間もなく、変化もなく、

すべてが永遠不滅だ。

もしも君が、

自分は本当に来ては去っていくと

信じているなら、そうでない道を教えよう。

来ることもなく去ることもない道だ。

君の内側にある永遠の故郷、

生じることも滅することもない場所だ。

多くの人が考えているような生は

真の生ではない。

そのありのままの姿を見ていないのだ。

あまりにも幻想（仮相）の人生に

心を奪われて、

最後の最後まで幻想のとりこだ。