前にも書いたような気がしますが、
実話です。

ある小学生が、数学の授業中に
じっと白板の「数式」を凝視していました。

それを見た先生が
「君は熱心だね。何か数式のことで質問があるのでは？」と尋ねました。

するとその生徒が
「白板消しでその数字たちを全て消したら、それらは【どこへ】消えるの？」と質問したのです！！

これ、すごいスピリチュアルで科学的な質問です。

「数字は全て【白板】に消えた」
と答える先生だったら、すてきです。

多くの人は、「白板」をあまり意識せず、
そこに書かれた「黒い数字」「黒い文字」にばかり集中します。

でも白板なしでは
数字がそこに存在できません。

白板が数字を生かし、白板が
黒い数字を白に入滅させるのです。

空（くう）の透明さを
「白」と表現することがあります。

まさに「空」が「白」だから
空白です。それが「あなた」という意識です。

あなたの意識の「空白」の中に、
思考・言語・カタチを生じさせて、それらを観察するわけですが、

もし、あなたが
それら「対象物」をもう観察したくないと思うなら、

まるで「白板消し」で
消すように

対象物を
簡単に無に帰することができます。

意識の「空白」の中に、
思考・欲望・雑念・怒り・不満・恐怖などが飛び回っていたとしても、

たとえば、「あいつ、嫌い」という思考と感情が
「空白」の中に暴走していても、

「空白」（白板）のほうがあなた自身だと分かって
意識し続けているなら、

「見つめる対象」は蒸発し始め、
存在しなくなります。

あなたの意識の中の
「見つめる対象」がきれいに無くなり、透明な「空白」だけになったとき、

「観察する側」と「観察される対象物の側」との境界線が消え、
「全一」になります。

これが「真の自己実現」です。
涅槃、ニルバーナ、彼岸に到達したということです。

もう対象物を
観察したくないと思っても、

それでもあなたが
ご自分の意識の「空白」を

雑念などの「対象物」でギュウギュウ詰めにしているなら、
一体それはなぜですか？

はっきり申し上げて、
思考や感情のギュウギュウ詰めを許しているのは、

完全な「空白」に戻すことが
怖いからでは？

まるでアホになるようで、
怖いのでは？

純粋な「空白」にしてしまったら、
もう自分個人という存在を確定できなくなるし、

自分が他者とは異なるという特殊性を
「自己証明」できないし、

ひそかに優越感を
感じることもできなくなる。

でも、この純粋な
アホのような「空白」こそ、

もっとも叡智に満ちた状態であり、
「全一愛」の状態であり、神の出現なのです。

ノーマインド、ノー思考、
色々な覚者たちが延々と言い続けているにもかかわらず、

不覚の者たちは
どうして意識の「空白」にチャレンジしようとしないのでしょうか？