自然の力は、地球に生きる人間が
自らの足で立てる地点にまで
人を発展進歩させてきました。
そして、自然の役割は
その頂点に達してしまい、
そこで終わりを迎えてしまったのです。

もはや人間が、
自然を超えた存在になろうと
決意しない限り、
このままでは何ひとつ起こらない
というところにまで来てしまいました。

「自ずとそうなっていく」
というような自然な進化は、
人間の段階でもう止まってしまったのです。
放おっておいても発展する
なんてことは、もう起きません。

自然に勝手に起こってくれるほど、
ここから先は甘くなく、
無意識なままの怠惰な状態
ではいられません。
この事実は、科学者たちでさえ
気付きつつあります。

ここ何千年ものあいだ、
人間自体は何も変わらず、
そして今や人間は、
さらなる進化成長の歩みを
自らが引き受けなくてはならず、
まさにそれがスピリチュアルな道
ということですし、
真の宗教の役割です。

スピリチュアルとは何でしょうか？
それは、私たちが自らの足で立ち、
自らの存在の生き様に
責任を持つようになって、
自己の本質を探究し、
見つめ直していくことを言うのです。

きわめて真正で、神聖で、
誠実な探究であり、
生死に関する問いかけでもあるのです。
それは、今までのいかなる探究よりも、
最も喜びあふれる探究となっていくことは
間違いありません。

それは、哲学や、
精神分析などのような
学問的なジャンルをはるかに超える
探究であるため、
知識や情報を集めるだけでは
何の役にも立ちません。

スピリチュアルな探究者
であるためには、
いっさいの哲学や分析を
外していかねばならない。
前もって知識に執着すると、
その全ては障害になるのです。

世間や社会は、しきりにあなたに
結果と結論を前もって与えようとします。
あなたが自ら実験し、体験して
結論に至るための基本姿勢、
つまり意識覚醒を
妨げようとするでしょう。

あなたの意識が目覚めて、
きわめて意識的になってしまう前に、
社会や世間は
ありとあらゆる結論や結果を
あなたにインプットする。
世間的な成功哲学を教える。

あなたを自由な意識に
させたくないからであり、
扱いやすい人間として
操作したいからです。
あなたが単なる人間であることに、
死ぬまで終始させておきたいからです。

真のスピリチュアルな領域や、
本物の宗教が大切にしていることは、
決して知識ではなく、
それを自らが実際に
生きることにあります。

スピリチュアルとは、
生そのもののことであり、
それを生きて実践しない限り、
その真髄が何であるのかを
何ひとつ理解することはできません。

師や先生を見本にし、
マネをしながらも、
実際に独りでチャレンジして
試していかねばならず、
あなた自らが実験室に
ならなくてはなりません。

一般的な科学者の実験室は
外界にありますが、
スピリチュアルな探究者の実験室は、
あなた自身の内面にあるのです。

スピリチュアルとは、本来、
実地の体験から
成り立っているもので、
それは内的世界の「科学」であり、
外界の科学以上に
科学的なのです。