「慣れ」（＝なじむこと）を通り越すと、
「狎れ」が起こってきます。

ここは要注意です。
モノゴトに「慣れて」いくのは大事ですが、「狎れて」しまうと終わりなのです。

お金でも、モノゴトでも、外側にジリ貧として現れた時、そしてそれが一向に止まらない時、
あなたの見えない内側で、「狎れ」が起こっていなかったかどうかに、気づくチャンス！！

色々な意味で、ジリ貧へと傾き始めたモノゴトは、あとは一気に落ちていきます。
「まずい」と思ったときにはすでに手遅れで、「あれ？」と違和感を覚えたときも遅いくらいです。

会社でも、仕事でも、プライベートでも、
「日々順調なんだから、このままでいいか～」
という狎れが最も怖いといいうことです。

進化発展は、外側の数字的なことや、
表面的にうまくやりとげることではないからです。

日常生活に「狎れる」ことなく、その順調さに感謝しながらも、
さらに上の意識段階における順調さを意識していくことが大事です。それが進化発展という意味です。

何よりも怖いことは、面倒な日々の作業（内面の進化に向き合うことも含む）を怠り、
なまけ者（狎れた者）の五感や六感になってしまうこと！

俳優の坂上忍さんが、天才子役と言われていたころに、
監督からNGを出されるのがイヤで、NGを出さない「やり方」を無意識に身につけてしまいました。

いわゆる「慣れ」ではなく、
悪いほうの「「狎れ」の状態になっていたそうです。

先輩の女優さんに見抜かれ、
「監督はOKでも、あなたはその芝居でいいの？」と叱ってくれたそうです。

狎れた芝居なんて誰も見たくないし、小慣れ（こなれ）た人間ほど醜いものはないと、
彼は気づかせてもらったそうです。

日々の「狎れ」にあぐらをかくのは楽ですが、
それは至福とは似て非なるものだと思います。

狎れてしまうことは、怠慢と怠惰を生み、
真の生きた至福からは遠くなり、やがてはジリ貧へと向かっていきます。